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ミックス・マスタリングについての扱い

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ミックス・マスタリングの当スクールでの扱いについて

DTMにおいて、雑誌等においてもよく聞くであろうフレーズ「ミックス」「マスタリング」という言葉があります。

簡単に説明しますと

「ミックス」 = 「各楽器の音質や音量を調整して、CDやMP3プレーヤーで聞きやすいように調節出来るように整える」
「マスタリング」 = 「アルバム等で音量差がバラバラな各楽曲のバランスを整え、ノイズが無いか等のチェック。楽曲の音圧を稼ぐ作業もこの作業」

になります。

どんなに良い楽曲を作ろうと、この作業がうまくいかないと下手をすると楽曲の仕上がりが台無しになってしまう大事な作業です。

その為、世の中には録音とミックスを担当する「レコーディングエンジニア」とその後のマスタリングを担当する「マスタリングエンジニア」というプロフェッショナルの方々がいます。

単刀直入に申し上げますが…

 


当スクールでのミックス・マスタリング作業のレッスンは
人に聞かせられる最低限のレベルの内容しか行いません。


 

理由は簡単です。講師の僕自信がクリエイターであり、エンジニアではないからです。

これは個人的な意見になりますが、デモ段階の楽曲をクリエイターが自分自身でミックスやマスタリングを行うことは仕方のないことですし、ある程度のスキルも確実に求められます。

ただ、作品として世の中に出したり・CD化等をするのであれば、初めは少し赤字になったとしてもエンジニアさんにお願いするのを強くオススメ致します

特に、同人活動やバンド活動で自主制作CDを作られている方は、自分の楽曲を良くするの為にも自分と相性の良いエンジニアさんを見つけることも非常に大事なことです

予算が無い場合は、初めはアルバムのうちの何曲かだけでも構いません。

自分が作った楽曲のデータを他人に委ねるというのは、全データに責任を持つという責任感が出てきます。

お恥ずかしいですが、僕も今までに散々やらかした経験があります…w

 


■総トラック50近い曲の各トラックデータの名前が関連性が無くバラバラで、TDが終わった後にエンジニアさんに「もうちょっと考えてトラック作ろうね…」と言われてしまったり

■TD当日まで歌詞が変わったコーラステイクに差し替え忘れていることに気づかず、スタジオが一瞬凍りつき…「ああっ、俺の作家生命終わった…」といったこと

■この同じ帯域でなってるシンセのトラックいる?どうしても入れたいならPANで左右にで動かしていい?って言われてしまったり。


 

当時、関わっていただいた方や助けていただいた方には本当に頭が上がりません(笑)

これを気に僕は、トラックネームはPro Toolsに取り込んだ時に比較的綺麗に並ぶようにトラックをネーミングしたり。
トラック忘れが怖くて自宅にサーバーを作りました(笑)最近はTDの前にはプロジェクトデータを全部アップしてから出かけます…w

ただ、確実に言えることは第3者の立場であるエンジニアさんとやり取りをすることで、自分では気づかない客観性や各トラックの音像やノイズ等に対する意識が出てきますので、沢山のエンジニアさんと関わることで必ずその後に自分の楽曲制作において必ず役にたって来ます。

もちろん相性もありますので、自分の音楽性には合わないエンジニアさんもいらっしゃると思います。もし運よく「この人だ!!」という方をもし見つけることが出来ましたら、遠慮せずに聞きまくりましょう。こちら側の熱意が伝えわれば快く教えていただけると思います。

僕自身、アシスタントを始めた頃は「何のトラックが入ってるかサッパリ?」という状態でしたが、何度も現場に足を運ぶうちにまず各楽器の音像が見えるようになり、徐々に色々と聞き分けられるようになってきました。

今でも、たまにエンジニアさんに自分の曲のミックス自信作を実際に聞いてもらうと「今回は60点かな~」って言われたりします。プロの仕事ってそういうことです(笑)ぼくは何ちゃってエンジニアにはなりたくないので、完全に住み分けすることにしてします。

当スクールでは、そういった現場経験からミックス作業というものは少しづつ学んでいくことがベストだと思いますので、基本的に最低限の内容に留めるということをどうかご理解下さい。

マスタリングについても同じことです。

最近は、マスタリングソフト等も市販の物でも5~6万くらいと安価になり非常に導入しやすくなりました。

しかし、マスタリングソフトを買ったからといってマスタリングが出来るようになるわけではありません。

一度、マスタリングエンジニアさんの作業というものを体験されるとわかると思いますが、そんな簡単に真似事が出来るようなものではありませんよ(笑)

まず、僕の場合はアルバム1枚を大音量の中、通しで聞いてノイズ等に気を配るあの集中力がありません。
無理です(笑)バラードに差し掛かった時点で睡魔に耐えるのが必死でした…脱帽です…w

もちろん、クリエイターが「ミックス」や「マスタリング」をやってはいけないという訳ではありません。
デモを聞かせる機会が多いですから、スキルアップをする心構えはとても重要です。

ただ、安易に手を出して「ミックスとマスタリング出来た!!」と井の中の蛙のような状態になってしまうと結果的に本当に遠回りになってしまいます。

1曲ミックスしてもらうだけでも30000円くらいの金額は出てしまいますが、初めのうちは身銭を切ってでもエンジニアさんに依頼する機会を作ることをオススメ致します。

長くなりましたが、これが当スクールの「ミックス」「マスタリング」に対する考え方です。

DTM機材やミックス等の書籍が比較的入手しやすくなってしまった今の時代には煙たがられるかもしれませんが、書籍を何冊も読むよりも、1つの現場を経験する機会を自ら作り出すこともとても重要なのかなと考えます。

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